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2022.07.10

新作短編映像『吟遊詩人-声の饗宴-』上映会
川瀬慈

日時: 7月10日[日] 15:00-
場所: PURPLE(20名、要予約)
料金: 1,000円 *ワンドリンク付き

「アビシニア高原、1936年のあなたへ -イタリア軍古写真との遭遇-」展の開催に際し、企画者の川瀬慈さんによるご挨拶と本展の解説、新作短編映像『吟遊詩人-声の饗宴-』の上映を行います。

『吟遊詩人-声の饗宴-』は今回の展示にも複数含まれる世襲の歌い手アズマリに関する新作映像です。アズマリは、儀礼や宴の最初に予祝芸能を 行う存在でもあります。展示の「うまのはなむけ」として、 楽しい会となれば幸いです。

 

 

 

『吟遊詩人-声の饗宴

 

17分、2022年、アムハラ語(日本語字幕)
撮影・録音・編集・監督: 川瀬慈
撮影地: Duka Masinqo、アジスアベバ、エチオピア

 

エチオピア連邦民主共和国の都市にある吟遊詩人酒場 “アズマリベット”。ここでは、弦楽器マシンコを弾き語る楽師アズマリが人生の無常や恋についての伝承歌を歌い、庶民を楽しませる。アズマリのパフォーマンスの特色は歌い手のみならず、聴き手も即興的に詩を生み出し、歌い手に投げかけていくことにある。アズマリはそれらの詩を弦楽器の旋律にのせて一字一句復唱し、聴衆に聴かせる。本作は、2022年の6月6日の晩、アジスアベバのアズマリベットにおいて、長回しのシングルショットによって記録されたアズマリ、ソロモン・アイヤノー氏と客たちの詩のやりとりである。ここで歌われた詩の内容は、新型コロナウィルスの世界的な蔓延、ティグライ人民解放戦線(TPLF)と政府軍の争いをはじめとするエチオピア国内の戦争、過去、現在のエチオピア首相に対する批判、さらには大エチオピア・ルネサンスダム(GERD)の建設をめぐるエジプトやスーダンとの外交摩擦に至るまで、多岐にわたった。アズマリベットの歌は、エチオピアの社会情勢や庶民の気持ちを映し出す鏡である。

 

 

 

川瀬慈

映像人類学者。1977年生まれ。国立民族学博物館准教授。エチオピアの吟遊詩人、楽師の人類学研究を行う。人類学、シネマ、アート、文学の実践の交点から創造的な語りの地平を探求。主著に『ストリートの精霊たち』(世界思想社、2018年)、『エチオピア高原の吟遊詩人  うたに生きる者たち』(音楽之友社、2020年)、『叡智の鳥』(Tombac/インスクリプト、2021年)。

 

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