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小林且典

静物学 山の標本 旅の記録
ー彫刻と写真の往還ー

  • ©︎Katsunori Kobayashi

会期: 2023年9月6日[水]-9月24日[日]
時間: 13:00-20:00[水・木・金] 11:00-19:00[土・日]
休廊: 月曜・火曜

彫刻家 小林且典による個展を開催します。

小林は自らの手を掛けて制作をするという軸を据えながら、彫刻、写真、水彩、版画と媒体を越境し表現を行ってきました。このような小林の活動をとりわけ彫刻と写真に注目して美術史家の金井直は以下のように評します。

 

 

表面への途切れぬ思慮によって、彫刻と写真がつながる。確かな手仕事の連鎖が、二つの媒体を一つのつながりのプロセスに変える(小林は鋳造もプリントも自ら手がける)。この相互浸透をさらにきわだたせるのが小林自作のレンズの存在である。磨き上げられた対物レンズもまた彼の彫刻なのだ。彫刻と写真が幾重にも重なり合って、コンセプチュアルな筋立て抜きに、メチエに支えられた紋中紋的世界が現れる。彫刻と写真の近さを、尽きぬ魅力として示してくれる小林の世界には、本書各章で取り上げた彫刻家たちの仕事のレジュメのような趣きと輝きがあると思う。

 

金井直『像をうつす 複製技術時代の彫刻と写真』赤々舎、2022年、p176–177

 

 

この一つ一つの手作業を経た作品は、媒体は異なれど連なる作品世界を提示し、また、それぞれにひそやかながらもそこにある存在を指し示します。

本展では、『静物学』『山の標本』『旅の記録』の3シリーズと共に実際に撮影に使われた自作カメラなどを展開します。小林による彫刻と写真の響応を、そしてそのたたずまいをこの場で感じていただけましたら幸いです。

小林且典|Katsunori Kobayashi

兵庫県龍野市生まれ

東京藝術大学美術学部彫刻科卒業

東京藝術大学大学院修士課程修了

ブレラ美術アカデミー(イタリア政府招聘給費留学)

フィスカルス/フィンランド(野村財団・ササカワ財団)

東京在住


 


 


 


View of the exhibition ©︎Daido Bro

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