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池田武史

Space X

会期: 2024年7月19日[金]-8月18日[日]
時間: 13:00-20:00[水・木・金] 11:00-19:00[土・日・祝]
休廊: 月・火

PURPLEではこの度、アーティスト・池田 武史の個展「Space X」を開催いたします。

池田はコンテンポラリーアートの領域で制作や発表を行う一方で、ハードコアパンクバンドのドラマーとしても国内外で活動を行ってきました。このように特異なキャリアの持ち主である池田の表現は、美術史における文脈を援用しつつ、そこからクリティカルに社会の状況を反映してみせます。本展では、今年2月に開催された「第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」受賞者展にて発表された、特別賞受賞作品《Space X》を再構成したインスタレーションをPURPLEの空間上で展開します。

 

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イギリスの批評家・理論家のマーク・フィッシャーは、晩年、資本主義というプログラムこそが、既に人間社会に存在している「人工知性=AI」であると言った。彼曰くこのプログラムは、生活様式を規定し、均質化し、自己増殖以外の目的を持たない。

 

このビジョンは、映画『遊星からの物体X』(ジョン・カーペンター1982年)に登場する地球外生命体のようだ。映画の中で地球外生命体は、触れるもの全てに変身〜同一化し食い尽くしていく。アートの世界にあっては、冷戦下に自由主義のプロパガンダとして利用され、現在はマーケットの中で投機的に制作~販売され増殖し続ける抽象絵画も、現実の「物体X」として見ることが出来るかもしれない。

 

本展の出品作品は、「AI」「抽象絵画」「物体X」「不定形」「自己増殖」といった側面に着目し、資本主義をいかに表象することが出来るかを検討するものである。

 

池田 武史

池田武史|Takeshi Ikeda

1984年東京生まれ。2016年、2020年の2年間、オランダ・アムステルダムのライクスアカデミーに滞在アーティストとして参加。現在は主に東京と神奈川を活動拠点とする。


ハードコアパンク・パンクバンドのcore of bellsのメンバーとして活動する傍ら、池田武史個人でも作品を制作。実験音楽とハードコア・パンクに影響を受け、音楽、ビジュアルアーツ、パフォーマンスを駆使した表現活動を行っている。2011年の震災、原発事故下における緊張が恒常化した時間が、影響を受けた実験音楽に近似していると考え、以降「退屈」をテーマに作品を制作。同テーマは、池田とcore of bellsとの共同制作である、作品《WEEKEND》に結実した。2022年より、本展『Space X』につながる、資本主義が社会やアートにどのような形で現れるのかを検討する制作を開始。2024年1月からcore of bellsのYouTubeチャンネルで「Non-Placeでつかまえて」を毎日更新中。

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