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GOOD BYE PHOTOGRAPHY

会期: 2022年11月18日[金]-12月4日[日]
時間: 13:00-20:00[月・火・木・金] 11:00-19:00[土・日]
休廊: 水曜日
主催: The Reference
協力: PURPLE

2018年、ソウルにオープンしたアートブックショップと展示スペースから成る新しいメディアパブリッシングプラットフォーム「The Reference」の企画により、5人の若手アーティストによるグループ展「GOOD BYE PHOTOGRAPHY」を開催します。

 

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《GOOD BYE PHOTOGRAPHY》は、ポスト・インターネット世代が経験している写真メディア(the medium of the photography)の「今」、さらなる「写真以降の写真への新たな批評」を試みる若手アーティストのグループ展です。

 

ここに集まる5人のアーティストは、デジタルネットワークにて共有されるイメージ環境に慣れ親しんでいるミレニアル、またはZ世代であるにもかかわらず、今もなお写真固有の弁証法的概念−−時間の中と外(キム・ドヨン)、光と影(キム・テファン)、選択と排除(キム・サンイン)、記憶と記録(コ・ヨンチャン)、事実と虛構(パク・スンマン)−−に沿って、同時代の写真に向けた質問を投げかけます。私たちの知る写真というものが、世界を映す鏡、もしくはフレーム構成(constructed frame)の中の作動であったならば、彼らは、写真の持つ基本要素(複製性、時間性、真実性、事実性など)をそのまま用いながらも、各自の解釈を加えることに没頭しています。

 

ならば、生まれながらデジタルネイティブであるこの世代の写真的感覚、条件はどんなものなのでしょうか。「スクリーンに浮遊するイメージは写真とはいえないのか?」「写真を主な道具とする次世代にとって、既存の写真は抵抗すべきものか、克服するべきものか?」

 

1964年のエッセイ『反解釈』の中で、著者スーザン・ソンタグは「批評の機能は、芸術作品が何を意味するか見せるのみでなく、芸術作品がいかに芸術作品になり得るのか、ひいては、芸術作品は芸術作品としてあるのみだ、という事実を提示するものである」と書いています。「さようなら」は「また会いましょう」という重義の意味をも含むでしょう。この展示が、前世代の写真に別れの挨拶を告げながらも写真の本質を再確認し、新たなイメージの感覚を共有する場となることを願います。

 

The Referenc

 

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Doyoung Kim|キム・ドヨン b.1992

「写真とそれが位置する場所の結びつき」が作り出す、新しい空間とその物質的特徴に注目する。彼の作業の中で、紙(写真)は壁となって空間を区画し直し、再び対象化されることで、実在とイメージの境界に置かれる。異質の場所を結びつけたり、同じ空間の中でさまざまな時間の層位を浮き彫りにさせるといった、写真を用いた新しい空間づくりに興味を持っている。

Doyoung Kim, FLAT Room 2022

 

 

Taehwan Kim |キム・テファン b.1986

ソウル芸術大学で写真を専攻し、現在はホンイク大学大学院の写真専攻修士課程に在籍中。キムの関心事は空間の変化からスタートし、物理的変化、記憶の変化、社会的変化へと拡張した。その変化点の過去を追ったり、現在の瞬間を捉えることで、未来を想像していく。さらには、過去、現在、未来のどの時点においても変化し続けているものを具現化する作業を行なっている。

Taehwan Kim, Disperse, 2022

 

 

Sangin Kim|キム・サンイン b.1995

サンミョン大学写真メディア学科を卒業し、ホンイク大学大学院で写真を専攻した。特定の対象を観察し、記録する作業を続けている。対象を取り巻く環境や認識を観察し、反復的対象または行為が及ぼす感情と解釈の変化に注目する。カメラで持続的に記録した対象の、写真媒体で作用する意味について関心を持っている。

Sangin Kim, sn_201023, 2022

 

 

Youngchan Ko|コ・ヨンチャン b.1989

フランス、ニースのヴィラ・アルソン(Villa Arson)でファインアートの学部と修士課程を修了し、現在は韓国の木浦(モッポ)を拠点に作品活動している。「下からの歴史」を方法論とし、様々な場所を再魔術化することに関心を持つ。独学捜査官として特定の場所を探査しながら証人に聞き込むことで、周辺化されたり忘れられている地域や個人の物語を発掘していく。場所の記憶、個人の記憶、それらに関連した事件、事故、風景、場所性が作品の軸となっている。個展「Ex-situ」(Plan B project space、ソウル、2022)をはじめ、「技術的数値」(乙支路OF、ソウル、2022)、「24èmes Rencontres Internationales Traverse」(Les Abattoirs, トゥールーズ, 2021), 「Nuit blanche」(Les grands voisins, パリ, 2019)などの展示やスクリーニングに参加した。

Youngchan Ko, SIM SOLEL, 2018

 

 

Seungmann Park |パク・スンマン b.1991

区別がつかないCGと写真の関係性や、その結果を逆順に分解した際に現れるメカニズム、プロセスに興味を持つ。 CGが写真を模倣した「仮想」であることを示す不自然な外観や、写真の物証的特性を根拠とし、CGイメージの視覚的隙間を逆模倣する写真作りを方法とする。SeMA倉庫(ソウル、2021)、Hapjungjigu(ソウル、2021)、大邱写真ビエンナーレ(テグ、2020)、テジョン市立美術館(テジョン、2019)などで個展やグループ展に参加し、2016年には未来作家賞を受賞した。

Seungmann Park, jumping snow man, 2021

 

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