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鈴木幹雄

命の記憶 ─ 沖縄愛楽園1975

定価:5,500円+税

Book Design:町口景

企画・監修:沖縄愛楽園自治会
編集:沖縄愛楽園交流会館

発行:赤々舎

Size:H262mm x 214mm
Page:248 pages
Binding:Hardcover

Published in May 2025

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ハンセン病療養所を訪れた若き写真家が記録した
ひとりひとりの肖像と生活。

写真家・鈴木幹雄(1949-)は、今から50年前、「本土復帰」から間もない沖縄県名護市にある国立療養所沖縄愛楽園を訪れました。ハンセン病の回復者・患者たちが隔離のなかで生き、日々の暮らしを営む姿を、鈴木はカメラで丁寧に記録しました。

差別や偏見が根強く残る社会の中で、一般の入所者が顔や名前を明かすことは極めて困難でした。それでも鈴木の写真には、孤独や悲しみと向き合いながらも、自分の人生を少しでも豊かにしようと懸命に生きる人々の姿が映し出されています。

 

2025年、撮影からちょうど半世紀を迎える節目に、本書『命の記憶─沖縄愛楽園1975』が刊行の運びとなりました。

鈴木は愛楽園を撮影しようと訪れたものの、初めのうちは入所者にカメラを向けることができず、距離を置いて撮ったり後ろ姿を撮影するばかりでした。転機をもたらした入所者の言葉を、鈴木は日記にこのように綴っています。

 

「二人の入所者が『兄さんここにライの写真を撮りに来たんでしょ、これがライよ撮りなさい』と両手を出す。驚いた。カメラを向けシャッターを切ル。初めて正面から撮る。緑勇さんと **彦一さん。」(本書収載「撮影日記」より。**は伏字)

 

やがて食事や酒宴を共にしながら、入所者ひとりひとりのポートレートと生活が生き生きと写し出されていきます。

同時に、日記には、撮ることの重みに直面するエピソードや逡巡が綴られてもいました。

本書は、沖縄愛楽園に生きる人々の貴重な記録が普遍的な営みとして私たちに手渡されたものであり、ひとりの若き写真家が、見ること撮ることについて考え行動した記録でもあるのです。

50年という時間が、今を照らし出す一冊となることを願います。

 

 

巻末に、作品リスト / 「撮影日記」鈴木幹雄 / 略年譜 / 「はじまりの場所」倉石信乃 / 「愛楽園撮影の道程」辻央 / 「復帰三年めの愛楽園」鈴木陽子 収録。

 

 

 

 

赤々舎HPより引用

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鈴木幹雄|Suzuki Mikio

 

1949年東京都世田谷区祖師ヶ谷に生まれる。幼少期に福島へ移る。

1970年千代田写真専門学院入学

1971年IN通信社入社、カメラマンとして活動

1974年初めて沖縄愛楽園を訪問

1976年愛楽園での撮影終了、デイリープレス入社

1979年日刊「銚子ニュース」記者に

1985年福島・北会津にて無一窯を築窯、陶芸家として各地で活動

2007年『沖縄ハンセン病証言集 沖縄愛楽園編』(沖縄愛楽園自治会)に写真13点掲載

2018年沖縄愛楽園交流会館企画展「沖縄の傷痕」展にて写真64点展示

2025年写真集『命の記憶–沖縄愛楽園1975』(赤々舎)刊行

 

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