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内倉真一郎

忘却の海

  • ©︎Shinichiro Uchikura

会期: 2023年10月4日[水]-10月22日[日]
時間: 13:00-20:00[水・木・金] 11:00-19:00[土・日]
休廊: 月曜・火曜
協力: KANA KAWANISHI GALLERY

海辺に漂着し、打ち棄てられたものたちのラストポートレート

 

写真集の出版を記念し、内倉真一郎による個展「忘却の海」を開催します。
地元 宮崎の海岸を歩き、そこに打ち棄てられたものたちを掬い上げ、白い布上にひとつひとつ繊細に組み合わせ撮影された「忘却の海」。この声なき声を聞くような内倉の営みは、社会を映し出し、万物が負う時間を描き出します。

 

 

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私は宮崎県に住み制作をしている。どこを見渡しても海に囲まれた町だ。行政やボランティアの清掃の手が行き渡った海水浴場には、美しいビーチが続く。しかしそこから少し離れた海には、正反対の世界が広がっている。漂着物や不法投棄物が打ち棄てられて忘れ去られ、誰も立ち入ることさえなくなった、現代社会のありのままの海辺の姿。

ゴミと化した色鮮やかさが虚しいプラスチック、手袋、おもちゃ、魚や鳥などの死骸。遠く離れた場所から時間の波にもまれ、太陽光で干からび新たな姿に変容していくものたち。現世のものとは思えぬ異様な感覚をも想起させる、人間がかつて関わっていた痕跡。

私は夢中で、下ばかり見ながら、一つ一つの残骸を集める。打ち棄てられた物たちは私に語りかけるように感じる。誰かが作り、誰かの手元にあり、波とともに砂浜へ。そして私と出会う。このシリーズは、その最後の在りようを記録したラストポートレートだ。

 

 

内倉真一郎

 

内倉真一郎|Shinichiro Uchikura

1981年、宮崎県生まれ。日本写真映像専門学校(大阪)卒業後独立し、現在は宮崎県にて活動。


主な個展に『忘却の海』(2023年、GALLERY NEUTRAL、京都 [KG+ pick up] /2022年、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY、東京/2022年、BLOOM GALLERY、大阪)、『浮遊の肖像』(2022年、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY、東京/2022年、BLOOM GALLERY、大阪)、『私の肖像』(2020年、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY、東京/BLOOM GALLERY、大阪)、『十一月の星』(2018年、EMON PHOTO GALLERY、東京)、『犬の戦士団』・『十一月の星』(2018年、居藝廊G.GALLERY、台湾・台北)、『PORTRAIT』(2017年、BLOOM GALLERY、大阪)など。


主なグループ展に『東京写真月間2022:地域との共生』(2022年、写真の町 東川町文化ギャラリー、北海道)、『第8回大理国際写真祭』(2019年、中国・大理)、『My Body, Your Body, Their Body』(2019年、KANA KAWANISHI GALLERY、東京)、『第2回寧波市国際写真祭』(2017年、中国・寧波)、『YP』(2017年、清里フォトアートミュージアム、山梨)など。


主な受賞歴に第41回キヤノン写真新世紀優秀賞 (2018年澤田知子選)、 第33回・34回・36回キヤノン写真新世紀佳作 (2010年清水穰選、2011年大森克己選、2013年椹木野衣選) 、第7回EMON AWARDグランプリ (2018年)、Wonder Foto Day キュレーター賞(2019年Kana Kawanishi選、2018年Joanna Fu選)、KONICA MINOLTA フォトプレミオ受賞(2016年)、Nikon Juna 21(2008年)など多数。


2023年8月に赤々舎より『忘却の海』を刊行のほか、主な作品集に『私の肖像』(2020年、赤々舎刊)、2022年KANA KAWANISHI GALLERYより『Early works 1: Street』『Early works 2: Portrait』『佳子』『犬の戦士団』『十一月の星』『Collection』の全6タイトルを連続刊行。


 


 


 


View of the exhibition ©︎Daido Bro

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